【企業事例】体と環境に優しい「オーガニック 自家製シロップ」
2021/08/06
「体に優しいもの、環境に優しいものを提供したい」という想いからオーガニック素材を使った自家製シロップやハーブティなどを提供するカフェ、organic box。今回は、地元の方や観光客から愛されるカフェの、商品へのこだわりとパッケージの環境配慮についてお話を伺いました。
organic box(オーガニックボックス)があるのは、熱海の海へと繋がる熱海銀座通り商店街にある、大正時代から続く調剤薬局の一角。ドアのない4坪ほどの空間にはカラフルなシロップやスパイス、ハーブの瓶が並びます。organic boxは、薬局内に箱のような形で存在するオーガニックカフェです。
もともとはオーナー杉本さんの趣味であった自家製シロップ作り。オーガニックのフルーツを2週間漬け込んでいます。店舗では、そのシロップを使用し、サイダーやかき氷などのスイーツに仕立てています。その名の通り、使用する砂糖やハチミツ、スパイス等も全てオーガニック。フルーツも、国内外から有機栽培、自然栽培、農薬不使用のものを使用しています。
「私達がオーガニックにこだわったのも、付加価値や流行りのためではなく、ただ好きだから、と言うシンプルな理由から。」と杉本さんは言います。
「シンプル」をコンセプトに、余計な添加物を使用せず、素材そのものの味や色、香りを生かした商品。メニューは、青梅やだいだい、甘夏、赤しそなど、季節毎に旬なフルーツで、一年を通し様々な種類を提案しています。
店舗は、シックな黒の看板にグレーを基調とした、シンプルでスタイリッシュな心地よい空間です。そんなorganic boxが行っているエコやそのお考え、またオーガニック商品に使うパッケージの素材やデザイン選びについて、オーナーの杉本様にお話をお伺いしました。
「エコ」を店舗やパッケージに取り入れる
自然の流れで取り入れた「環境配慮」
「私たちは、からだに優しい商品はもちろん、地球にも優しいものを提供したいと考えています。ジューススタンドで使用する草ストローや木のスプーン、トウモロコシ由来のカップなども、できる範囲でエコ素材のものを採用しています。
オリジナル商品も、オーガニック・無添加とこだわって製作したので、商品のパッケージも環境に配慮した物で。という流れは必然的でした。」
エコがお客さまとのコミュニケーションに
今回製作したパッケージの箱はリサイクル紙100%。限りある資源を有効利用し環境にやさしくと考えていると心まで優しくなるから不思議、と杉本さんは言います。
「リサイクル紙には、希に色ムラや黒点が入る場合がありますが、そのことを「リサイクル紙なのですよ~」とお客さまにお話しすることで、新たなコミュニケーションが産まれています。最近は特に年齢問わずエコ意識が高まっていますが、オーガニックカフェに来店するお客さまは、特にからだや環境に優しい物を求めている方が多く、その中で様々な事を知る機会がありますね。」
「例えば、草ストローの導入は東京農大に通う学生さんとの出逢いがきっかけでした。その方から、地球の未来を担う若者として「少しでも多くの人々にサスティナブルな生活を広めたい!」との志で、ベトナムから日本へ草ストロー(材料はレピロニアという草)を輸入すると伺いました。環境に優しいだけでなく、フェアトレードを通して現地の方達の生活も支えるというお話で、導入しない選択肢はありませんでした。」
店舗ではこの草ストローの導入を検討。強炭酸だとこぼれてしまったため、炭酸以外のソフトドリンクで採用することにしました。エコ素材導入には、環境問題だけでなく「現地の方を支えたい!未来ある若者を応援したい!」という気持ちも含まれているそうです。
企業としてのエコとの付き合い方
紙を使えばエコ?
「エコ素材導入には、コストや強度など、クリアしなければならない問題が多数あります。
例えば、シロップ瓶を入れる紙袋は、重さにより破れてしまうため強度のある素材のものを導入しています。一見するとエコ素材を断念したようにも感じますが、「何度も繰り返し使える」という面ではエコに繋がっていると考えています。このように、エコを様々な角度から検討し、選択肢の幅をもたせることも時には必要ではないでしょうか。」
コストに関して個人的には、その素材の価値を感じられれば適性価格、と感じるといいます。
「私達の店舗は "オーガニック" カフェですから、材料などの仕入れは一般的な価格の2~3倍。目に見えない物ですが、「育つ環境」「農家さん達の愛情」「安全性」などの背景を考えると、価格以上の価値を感じます。一方で、コストをかけすぎてしまうとビジネスにはなりません。その辺りが難しい所で、今後の課題でもあります。ただやはり、「体に優しいもの、環境に優しいものを提供したい!」という想いを大切にしています。」
想う時間を積み重ねることも、環境への配慮
「環境の事を考えていると、それはそれは深すぎて……。お店なんて辞めて、自給自足の生活をするしかないのでは!?と考えてしまうのですが(笑) 縄文時代の狩りや弥生時代の稲作のような生活に戻る事は現実的ではありません。現在のテクノロジーに感謝しつつ、少しでも"地球の事を想う"そんな積み重ねが大事なのでは。と私達は考えています。」
デザインについて
エコな素材でスタイリッシュなパッケージに
organic box様のパッケージは、お客様のご要望に合わせて羽車スタッフがデザインする「デザイン提案サービス」をご利用いただき、オリジナルパッケージを作成しました。
羽車デザインチーム デザイナーより
エコな素材で想像しやすいのは、ブラウン系のほっこりとしたイメージですが、今回オーガニックボックス様では、そういったいかにもオーガニックでナチュラルなデザインではなく、店舗のイメージでもある「シンプル」「スタイリッシュ」で、キッチンに無造作に置いてあってもさまになるものを、ご希望されていました。
外箱は、シロップ瓶・ハーブティ共に、キャラメル箱でもともと検討されていましたが、ハーブティには、レジ横や商品棚にスッキリと陳列しやすい角底箱をご紹介したところ、商品にぴったりということで採用いただきました。
紙質は、紙素材一覧をご覧いただきながらミーティング。古紙配合率100%で環境にも配慮されているボード紙で、シックな印象に近づけるグレーのカラー、<ボード紙 グレー> に決まりました。
ボード紙は、古紙配合率100%の素朴な風合いもありますが、ロゴをシルバーで箔押しすることで、クールでスタイリッシュな印象にすることができます。店舗の顧客層は熱海という土地柄、旅行で訪れる方も多く、約7割が観光の方、約3割が地元の方ということで、ギフト需要も考慮し、店舗にディスプレイしたときに映えるように意識しています。
パッケージ用シールと商品用シールはデザインの連動を図っています。フレーバー毎のテーマカラーをつくり、商品に貼付するシールをご提案しました。シールの素材は、箔押しロゴとのバランスと、ボード紙グレーに調和しなじみやすいBasic プレインホワイトを採用いただきました。シロップ瓶の商品用シールには、開封後冷蔵保管のため、マットコート加工を施しています。こちらのカラーは、店舗のジュースとのバランスも考えてデザインしています。
制作例紹介
オンライン販売用の商品パッケージ
[品名・サイズ・形状・紙素材]
オリジナルオーダー(キャラメル箱・角底箱ロック式・シール各種)
[商品] キャラメル箱 ボード紙グレー270g
[サイズ] 内寸 幅45mm×奥行45mm×高さ220mm
[表面] 箔押し加工1箇所 箔色:シルバー ※範囲:~100㎠
[裏面] なし
[商品] 角底箱ロック式 ボード紙グレー270g
[サイズ] 内寸 120mm×高さ180mm×マチ50mm
[表面] 箔押し加工1箇所 箔色:シルバー ※範囲:~100㎠
[裏面] なし
[商品] A4シール オリジナル(瓶シール)
[1面のサイズ]オリジナル
[納品サイズ]A4シール(210×297mm)
[シール素材]Basic プレインホワイト
[表面] デジタル印刷 印刷色:フルカラー ラミネート加工
[商品] A4シール オリジナル(キャラメル箱シール)
[1面のサイズ]オリジナル
[納品サイズ]A4シール(210×297mm)
[シール素材]Basic プレインホワイト
[表面] デジタル印刷 印刷色:フルカラー
[商品] A4シール オリジナル(ハーブティーシール)
[1面のサイズ]オリジナル
[納品サイズ]A4シール(210×297mm)
[シール素材]Basic プレインホワイト
[表面] デジタル印刷 印刷色:フルカラー
[商品] A4シール オリジナル(角底箱シール)
[1面のサイズ]オリジナル
[納品サイズ]A4シール(210×297mm)
[シール素材]Basic プレインホワイト
[表面] デジタル印刷 印刷色:フルカラー
※ボード紙グレー 古紙配合率100%
※Basic プレインホワイト
古紙配合率70%以上/グリーン購入法に適合/ECF(無塩素漂白)パルプを配合/森林認証紙
デザイン:羽車のデザイン提案サービスにて作成 作品提供者:OrganicBox様
制作例(デザインギャラリー)
今回ご紹介したパッケージの詳細はこちら