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第9回 トレーシングペーパーに空押し

モニター結果発表

  • 第9回 トレーシングペーパーに空押し モニター結果発表
    トレーシングペーパーに空押しのホットスタンプを行います。

    今回の企画内容

    トレーシングペーパーは繊維の隙間を減らしたことで光が透過しやすくなり半透明に見える特殊な紙です。紙の表面に強い圧力をかけるとその部分はより平滑性が高くなり透明感が出ます。
    今回の企画では、この性質を活かして空押しのホットスタンプを行います。
    透かし模様のような仕上がりが、デザインによってどのように表現されるかを検証したいと思います。

    それでは、今回モニターになっていただいた3名の方の作品を紹介します。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し
  • モニター 平川様の作品

    【平川様からの感想】

    《今回のデザインのコンセプト》
    タイポグラフィで落ち着きもあり、楽しくも使える封筒。

    透明の紙ですので、中の紙を使う人によって色にしたり、柄にしたりと様々に使用できます。それを踏まえて、どの使い方でも合うような、タイポグラフィでのデザインにしました。A~Z、数字、記号が1文字づつ違う書体で入っています。

    《実際に作品をご覧いただいた感想》
    手にとった瞬間、凹凸感はとてもしっかり伝わります。私は通常活版印刷を使用することが多いのですが、ハグルマ封筒さんのトレーシングペーパーの封筒で、活字を使って刷ったものもあります。活版はここまで凸凹させるものではないですし、紙が固いので後ろまでくっきり・はっきりと出すことは難しいです。この手触りは、ホットスタンピングならではの楽しみと思います。

    《今回の封筒の使い方》
    そのまま使っていただいても良いですし、中の紙を色や柄で楽しむほか、外側のアルファベットを色鉛筆などでなぞったり、書いてみても良いと思います。たとえばイニシャルなど。全部色をつけてしまっても、それでも透明な紙ならではの雰囲気は残るので、ひとそれぞれの使い方が出来るのではないでしょうか。裏面が逆さ文字になってしっかりと出ているので、両面で遊んでみても良いかと思います。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    タイポグラフィが不規則に配置されたデザイン。
    細い線などはどのように表現されるでしょうか。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    ホットスタンプで押された部分が光を通すことで浮き上がって見えています。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    細い線にはしっかりと圧がかかり、輪郭までくっきりと表現されていました。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    封筒の状態で型を押し込んでいますので、裏面にまでくっきりと文字が現れています。
    逆さ文字になってもデザインとして面白い表現になっているのではないでしょうか。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきましたルフトカッツェ デザインの平川珠希様、ありがとうございました。

    LUFTKATZE design ルフトカッツェ デザイン
    http://www.luftkatze.com/

  • モニター 沢地様の作品

    【沢地様からの感想】

    《今回のデザインのコンセプト》
    「中身が透けて見える」トレーシングペーパーの特性を活かして手拭いのパッケージに利用したいと考えました。
    切り絵で表現したお多福と福助をあしらい『ふくふく・てぬぐい(仮称)』という商品名を付けた、おめでたいデザインです。

    《実際に作品をご覧いただいた感想》
    空押し加工ということで、凹部分が他より透き通ることを期待していたのですが残念ながら、思ったようには仕上がりませんでした。
    髪の毛などのベタ部分は表現できないのですね。社名ロゴなど線デザイン部分はきれいに出ました。

    《今回の封筒の使い方》
    今回は商品企画の段階だったので、今後デザインを表現しやすいものに変更するか別の印刷方法は無いのか、検討したいと思います。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    和のデザインで比較的ベタ面の大きさや、一つの図柄が大きなデザインです。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    全体の図柄が大きく、光を通して見たときに線の部分は透けて見えますが、全体としてはぼんやりとした仕上がりに見えます。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    近くで見るとパーツ毎に圧のかかり方にはっきりとした差が出ています。
    大きな図柄の場合は圧力が分散してしまうようです。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    手拭いを中に入れると、生地の紺色が圧がかかった部分とそうでない部分で透け方が違って見えるのが分かります。
    「ふくふく・てぬぐい」の箇所は、周りの菱形を押し込んで文字部分を抜きで表現しています。

    ※画像中の手拭いは仮のものであり、風扇堂様の商品ではありません。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました四国團扇株式会社の沢地今日子様、ありがとうございました。

  • モニター 大川様の作品

    【大川様からの感想】

    《今回のデザインのコンセプト》
    シェラトンのブランドロゴをシンプルに生かしたデザイン。

    《実際に作品をご覧いただいた感想》
    細かいロゴなのですが、きれいに表現されていたと思います。
    もう一回り縮小しても、再現できると感じました。
    ※今回の技術は裏にも写ってしまうものだったので、ロゴの表は良いのですが裏にも写っているので、残念ながら通常使用することができませんでした。

    《今回の封筒の使い方》
    トレペの特性を生かして、内容物が美しく見えるように考えています。
    ロイヤルカスタマー様へのDM等に使用したいと思います。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    ホテルのブランドロゴをセンターにあしらった、すっきりとしたデザインです。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    ピンポイントで圧力がかかったことで、今回の企画の中では最もくっきりと透け感の変化が現れました。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    文字の一つ一つがしっかりと押し込まれています。

    第9回 トレーシングペーパーに空押し

    封筒の中にパンフレットが入ることで、ブランドロゴが浮かび上がっています。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズの大川真実様、ありがとうございました。

    横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ
    http://www.yokohamabay-sheraton.co.jp/

  • スタッフより

    今回の加工では、線の太さや図柄の大きさ、全体の面積における加工箇所の比率などによって圧力のかかり具合に大きな差が生じることがはっきりと分かりました。
    モニターになっていただいた3名の方のデザインが異なる要素を持っていただいていたおかげで、今回この加工に興味を持たれた方にとっても、非常に参考になる作品となりました。

    今回の企画にご応募いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。

 

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株式会社 羽車は封筒・紙製品・印刷物の製造販売を行っています。1918年に大阪で創業しました。

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大阪府堺市の本社工場では封筒生産機と印刷機を中心に70台を超える機械が稼働しています。
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