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第6回 ロウ引き×ニス引き

モニター結果発表

  • 第6回 ロウ引き×ニス引き モニター結果発表

    今回の企画内容

    無色透明のニスで印刷し、ロウ引き加工を施します。
    熱で溶かした蝋を紙の繊維の間に染み込ませるロウ引きは、加工後、紙に透明感が生まれます。
    印刷後にロウ引き加工をすると加工前よりもインクがくっきりと浮かび上がるのですが、透明のニスで印刷した場合には写真のように、若干の濃淡や光沢が浮かび上がります。
    今回の企画では、この変化を使ってどのようなデザインが表現ができるかを検証したいと思います。

    それでは、今回モニターになっていただいた3名の方の作品を紹介します。

    第6回 ロウ引き×ニス引き
  • モニター 吉田様の作品

    【吉田様からの感想】

    弊社では紙を中心とした商品(ポストカード、レターセット等)の企画制作販売をしています。

    着物の型染めのイメージでパターン柄をデザインしました。
    型染めのムラやニジミを印刷で模倣してもわざとらしくなりがちなのですが、今回の企画では型染めの偶発的効果が自然に再現できそうな内容でしたので、モニターに応募させていただきました。
    また、個人的にロウ引きの紙が好きなので、大変興味がありました。

    一見すると無地のロウ引き封筒ですが、角度を変えると光を反射して柄を確認することができます。

    もっと柄が目立つ仕上がりを想像していたのですが、「透かし」のようでかえって面白いです。
    デザインを作成した際、少々柄がうるさいかとも思ったのですが、型染めではなく地紋のようで、上品で洒落た仕上がりとなり大満足です。

    無地と見せかけて、実は柄が入っている、という点も気に入りました。
    手にした人が柄に気がつくのに少々時間がかかるかもしれませんが、その分発見した時の驚きも大きいので、遊び心があります。

    ロウ引き×オフセット印刷は雰囲気が重くなりがちなので、ロウ引きは扱いが難しい印象がありました。
    今回の企画ですとロウ引きの魅力を活かしつつ、奥行きが出てとても良いと思います。

    「ロウ引き×ニス引き」は上品で遊び心もあり、とても気に入りました。

    今回、参加させて頂いて本当にありがとうございました。
    これからも御社の様々な試みを楽しみにしています。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    左がニス引きだけをした状態、くっきりとデザインが浮かび上がっています。
    右のロウ引き後はニスの透明感が同化して見えなくなってしまいました。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    角度を変えて見ると急にデザインが浮かび上がります。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    ロウ引き×ニス引きの効果を比較するために、色の薄いクラフトでも作成し急遽検証してみました。
    紙色が淡いためニス引きの効果が更に分かりづらくなってしまいました。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました吉田様、ありがとうございました。

  • モニター 谷川様の作品

    【谷川様からの感想】

    ロウ引きとニス引きの質感の違いがどれくらい出るか、どれくらい細かい表現ができるのか実験してみたいという思いと、自社の手紙を入れる封筒にしたかったので、風にそよいで手紙が届くイメージから葉っぱをモチーフに選びデザインしました。

    結果はというと、ロウ引きとニス引きの質感の違いは思ったよりはありませんでした。
    一見無地のロウ引き封筒に見えるのですが、光の角度によって柄が見えるという具合です。
    この点は期待通りではなかったですが、気付いた人にだけ柄が見える封筒として考えれば面白い封筒が出来たかなと思っています。
    細かい表現がどこまで可能かという点については、葉っぱの葉脈の1つ1つがキチンと再現されていてかなり細部までデザインできるのだなという印象です。
    全体的にはロウ引きのアンティークな雰囲気と葉っぱがこっそり隠れている雰囲気が妙にマッチしていて気に入っています。

    次の機会ではカラー印刷と組み合せるなどしてみるのも良いかなと思っています。

    ありがとうございました。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    左の未晒クラフトへのニス引きは予想以上に綺麗に出ました。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    未晒クラフトは正面からは見えにくいですが、角度をつけると葉っぱ柄の葉脈まではっきりと浮かび上がっています。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    薄い色のクラフトでは紙色と同化し、ほぼ見えない状態です。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました谷川様、ありがとうございました。

  • モニター 佐野様の作品

    【佐野様からの感想】

    インクの効果があまり出ていないとお聞きしていたのですが、たしかにはっきりとは見えないなと思いました。

    一番濃い色のロー引きの封筒は、手渡された時、机にポンと置かれた時など、少し角度が変わった時に照明の関係でデザインがうっすらと見えるという感じでした。
    ですので、今回のようなデザインよりも、全面的に「模様」のような形で印刷すると、さり気なくてとても綺麗なのではないかなと思います。

    薄目のロー引きは角度を変えても少しデザインが見えにくいかなと思いますが、透明感がとても高いので、中の紙を工夫するなどすると可愛く綺麗に使えるかなと思います。

    ロー引きしていない封筒は普段使いしやすく、イラストがぱっと見で見えやすいのでこれも素敵だなと思いました。
    仕事関係のお手紙を送るときなどに使えるかと思います。

    《デザイン制作時のコンセプト》
    梨が好きなのでよくデザインに入れます。
    ロー引き+ニスということで、みずみずしいイメージが有りましたので、ドボンと水に落ちる梨をデザインしています。
    縦長の封筒に縦の動きを付けたかったので、置いてあるものではなく落ちるという動作が良いなと思い、こういうモチーフにしてみました。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    大柄のデザインでも、ロウ引き後は加工の効果がくっきりと出ませんでした。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    角度をつけて見ると「梨」の周りの水泡まで綺麗に浮かび上がりました。

    第6回 ロウ引き×ニス引き

    角度をつけて見ると浮かび上がりますが、デザインの一部が見えなかったりと少し分かりづらくなってしまいました。

    このたびはこの企画に賛同してご協力していただきました佐野様、ありがとうございました。

  • スタッフより

    ロウ引き×ニス引きは、募集時の掲載画像のような素材の変化が実際には出なかったため、少し残念な結果となってしまいました。
    ご参加いただいた方から、角度によって浮かび上がる点を面白く感じたとコメントをいただき、当初予想していなかった新しい効果的な加工として見出すことも出来ました。今回は難しい内容でしたが、新たな発見もあり今後に繋がる貴重な研究となりました。

 

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株式会社 羽車は封筒・紙製品・印刷物の製造販売を行っています。1918年に大阪で創業しました。

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大阪府堺市の本社工場では封筒生産機と印刷機を中心に70台を超える機械が稼働しています。
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