ペーパーの種類によって味が異なるコーヒーフィルター
2016/11/25
ドリップ式のコーヒーの中でも定番の淹れ方であり、誰もが手軽に楽しめるペーパードリップ。
実はドリップするペーパーフィルターによっても味が異なることをご存知でしょうか。
今回は、コーヒータイムが楽しくなるペーパーフィルターの奥深い世界をご紹介します。
コーヒーを抽出するときに使用するコーヒーフィルター。
フィルターには布製のネルや金属製もありますが、100 円ショップやスーパーマーケットなどでも手軽に購入することができるペーパーフィルターは、私たちにとって一番身近ではないでしょうか。
画像上:(Photo AC)
そんな多くの人に親しまれているペーパードリップは、1908年にドイツのメリタ・ベンツによって考案されました。
彼女は、夫にもっと手軽に美味しいコーヒーを飲ませてあげたいという想いから、コーヒー粉がカップに入ることがなく、ゴミ捨ても簡単なコーヒーの抽出方法を考え出しました。これが、ペーパードリップシステムの始まりです。
ペーパーフィルター用のドリッパーは、製品によって穴の数が違います。
主にひとつ穴の「メリタ式」、3つ穴の「カリタ式」の2種類で、淹れ方も異なり、焙煎度などによって道具を使い分けます。
ドリッパーの形状と大きさに合わせて、ペーパーフィルターも、台形型か、円錐型か、バスケット型かを選びます。
ペーパーフィルターを選ぶ際は目の詰まり具合もポイントです。
煎りたてのコーヒーには目の粗い「ヨーロピアンタイプ」が適しており、やや鮮度が落ちて、お湯の保持力が弱くなったコーヒーには、目が詰まり気味の「レギュラータイプ」を使用すると一定の時間お湯に浸したことになるので味や香りが出ます。
また、ペーパーフィルターには「白い漂白タイプ」のものと「茶色の無漂白タイプ」の2色見かけることがあると思いますが、何が違うかご存知ですか?
最近はエコロジカルな面が重視され、主に木材で作られていて、科学的な処理をしない茶色の無漂白タイプのペーパーフィルターが多く流通しているように思いますが、このタイプは紙のにおいや味がコーヒーに移りやすいようです。
ですから、味にこだわるという方は漂白タイプの白を選ぶのだとか。
茶色の無漂白タイプでも、ペーパーフィルターを袋から出して少し広げて置いておくか、コーヒー豆を入れる前に、いったん湯通しすると紙のにおいが軽減するそうですよ。
また、確実に美味しいコーヒーを淹れるためには、ペーパーフィルターに折り目をつけてドリッパーとの密着性を均一にすることも重要です。
まず、フィルターの側面の折りしろを折り、側面と互い違いになるように底の折りしろを折ります。
このように折ったペーパーフィルターを、少し押し付けるようにしてドリッパー内にセットすると安定して淹れることができます。
ちなみに、折り目が少ない方が雑味が出ていってしまうことがないという点から、円錐型タイプが人気だそうです。
そんな円錐型タイプの可愛らしいデザインのペーパーフィルターを見つけました。
HARIOから発売されている「ラブドリ」コーヒーフィルターです。
「誰かのために心をこめてレギュラーコーヒーを淹れること」をコンセプトに、愛情を持ってドリップすることを「ラブドリ」と名付けたこのコーヒーフィルター。
コーヒーを普段飲まない人でも、来客時には淹れるという方も多いと思います。
コーヒーを淹れる側も、淹れてもらった側もハッピーになれる、そんな見た目も可愛いペーパーフィルターは、家庭に置いておきたいアイテムですね。
コーヒーはこだわって追求していくと本当に奥深い世界です。
自分や誰かのためにコーヒーを淹れるときはもちろん、コーヒーショップに足を運んだ際には、どんなフィルターでコーヒーを淹れているのかな?という見方で楽しんでみると新たな発見もあるかもしれませんね。
文・杉山桃子
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画像協力:
HARIO株式会社 (商品名:ラブドリペーパー 02W) https://www.hario.co.jp/coffee/VCFL.html
参考:
『コーヒーの事典』 田口護監修 成美堂出版
メリタジャパン http://melitta.co.jp/
コーヒーのための水選び/コーヒーの水 http://cafe.navi21.jp/