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コラム「紙と生活」

舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(後編)

2021/12/20

  • かるた

お正月の風物詩ともいえる「かるた」遊び。前回は皆さんおなじみの「いろはかるた」や「小倉百人一首」など、【歌かるた・合わせかるた】についてご紹介しました。 今回は、現代の「花札」につながる【天正かるた】の歴史と変遷についてご紹介します。

舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(後編)

画像:うんすんかるた(江戸時代の作)。金があしらわれた華美な印象。
出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム
(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/I-2136?locale=ja)

「天正かるた」は、室町時代末期にポルトガルから伝来した南蛮かるたを模して日本で作られたものです。4つの紋(コップ・金貨・こん棒・剣)にそれぞれ12枚ずつ、計48枚からなり、主な遊び方は「読(よみ)」「合(あわせ)」「かう」などがあります。

「読(よみ)」は当時最も人気を集めた遊び方で、裏返した状態で札を混ぜて各人に配り、1、2、3、4の順に裏返した状態で出していき、手持ちの札がなくなったら勝ち。他の遊び方も、今のトランプに近いものです。当時の人も現代と同じように、友人らと何人かで集まり、こうしたカード遊びに夢中になったのでしょう。

舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(後編)

画像:天正かるたから派生した、うんすんかるた。鮮やかな色づかいで国際色豊か。
出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム
(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/kyuhaku/A20?locale=ja)

うんすんかるたは天正かるたから派生したもので、紋が5種、75枚あります。これは、大人数でも遊べるよう、改良されたからだとか。「うんすん」は、ポルトガル語の「1」を指す「ウム」、「最高」を指す「スムモ」が由来だとされています。絵柄は布袋や福禄寿、南蛮人などが描かれていて、どの絵柄も色鮮やか。諸説ありますが、「うんともすんとも言わない」の「うんすん」は、「うんすんかるた」が語源だという話も。

そして、実はうんすんかるたも天正かるたも現存するものは非常に数少なく、その背景もよくわからない、謎が多いのです。なぜなら、18世紀末の寛政の改革で禁止されたことが背景にあります。かるたを使った賭博が流行し、困った政府が厳しく取り締まった結果、燃やされるなどして消失していきました。

その後、うんすんかるたは熊本県の日吉市にだけ残り、昭和時代の初めごろまで伝統的な遊びとして親しまれていたようです。

舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(後編)

画像:花札は、天正かるたが禁止されたのちに生まれました。

天正かるたやうんすんかるたが衰退していき、その代用品として18世紀後半頃に生まれたのが花札(花合せ、花かるたとも)。天正かるたと花鳥合せ(合わせかるたの一種)を組み合わせて考案されたともいわれています。

絵札は松、梅、桜、藤など花鳥風月が描かれていて、1種各4枚、12種で計48枚。1月から12月までの季節にちなんだ絵柄が特徴です。遊び方は「八八」「こいこい」「おいちょかぶ」など。「おいちょかぶ」はスペイン語の8「オイチョウ」、9「カブ」に由来しています。

当時の色鮮やかな花札は1枚1枚が手作り。花札の芯になる生地と表紙、裏紙を貼り合わせて作られていました。当時は1組48枚の高さが一寸二分五厘ぴったりに作られていたという、まさに日本の職人技です。

賭博に使用されるということもあってか、きれいに貼られていないものなどは安価で売られていました。のちに作業工程を短縮したり、用紙の切り替え、機械印刷の導入などで安価なものが大量生産されるようになったようです。

舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(後編)

画像:鹿や鶴に紅葉、桜、梅、菊など、色鮮やかな絵柄の花札。

花札は19世紀頃に大流行し、各地で作られたようです。今では飛行機や新幹線でかんたんに各地へ出かけられますが、当時は籠や徒歩が主流。海運、陸運、幕藩体制によって、それぞれの地で特色のある絵札、遊び方が生まれたことでしょう。こうした経緯からいくつもの「地方札」が存在したと考えられます。

ちなみに、ファミコンやSwitchをはじめテレビゲーム業界をリードする任天堂ですが、1889年創業時にはじめたのは花札の製造です。1885年に西洋トランプの輸入が解禁され、花札もその流れで販売が認められるような情勢に。任天堂は1902年には国内で初めてトランプを製造するなど、目の付け所は流石といえます。

2人から大人数まで、手軽に遊べるかるた。たまにはみんなで円座になり、楽しんでみてはいかがでしょう。


文・杉本友美

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参考文献:
『日本遊戯史~古代から現代までの遊びと社会~』増川宏一/平凡社
『「いろはかるた」の世界』吉海直人/新典社
『ものと人間の文化史173 かるた』江橋崇/法政大学出版局

参考サイト:
日本かるた文化館:https://japanplayingcardmuseum.com/


舶来品から日本独自の文化へ~かるたの歴史と変遷~(前編)

 

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