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コラム「紙と生活」

命名書の歴史‐源氏物語の時代から続くお七夜と命名書(前編)

2021/05/28

  • 命名書

生まれてきた子どもの名前を書く紙、命名書。その歴史は非常に長く、日本古来の儀礼として今もなお大切にされています。命名書が活躍するお七夜の起源と正しい命名書の書き方についてみていきましょう。

命名書の歴史‐源氏物語の時代から続くお七夜と命名書(前編)

画像上:仏教においても、7は無限の数とされ、永遠に息災で過ごせるという意味が込められている。

この世に生まれてから、成長し、結婚、そして亡くなるまで、古くから日本では人生の節目にさまざまな儀礼を行ってきました。これらの儀礼は通過儀礼や人生儀礼と呼ばれています。赤ちゃんを妊娠してから初めて行われる行事は「帯祝い」です。妊娠5カ月目の戌の日に腹帯を巻き、安産を祈ります。赤ちゃんが生まれてから初めて産着を着るときは「着衣の祝い」という儀礼でお祝いします。そして次に行われるのが「お七夜(おしちや)」です。

お七夜は生まれた日を含めて7日後に行われる行事です。赤ちゃんに名づけを行ない、その名前を紙に書いて神棚や仏壇などに供えてお祝いします。このとき、名前を書く紙が命名書です。お七夜は命名にかかわる行事のため、「命名の儀」とも呼ばれています。しかし、なぜ、生まれてから7日目に名づけのお祝いをするのでしょうか。

命名書の歴史‐源氏物語の時代から続くお七夜と命名書(前編)


これは、かつての新生児の死亡率が深くかかわっています。昔、出産後の新生児の死亡率は非常に高く、生まれてから数日で亡くなるケースも少なくありませんでした。そのため、生まれてから7日目を大切な節目としていたそうです。そのため、生まれてから7日経ったタイミングで名前を付け、社会の一員になったことを産神様(うぶがみさま)や産土神様(うぶすながみ)に報告し、感謝する風習が根付いていきました。産神様は妊婦や赤ちゃんを見守ってくれる神様、産土神様は生まれた土地の守り神様のことです。

命名書の歴史‐源氏物語の時代から続くお七夜と命名書(前編)

画像上:『源氏物語』の作者・紫式部ゆかりの花の寺として知られる石山寺。

お七夜の歴史は平安時代にまでさかのぼります。当時、貴族の家では子どもが生まれた日を初夜とし、そこから三夜、五夜、七夜、九夜と奇数の日を数えて祝宴を開いていました。祝宴では親せきや知人がお祝いの品を贈りました。具体的には、妊婦や子どもの衣服、食品、日用品だったとされています。当時の様子は『うつほ物語』や『源氏物語』、『栄花物語』などの歴史的な書物のなかで描かれました。とくに『源氏物語』については、日本文学者の小嶋菜温子さんによって詳しい研究成果が発表されています。これらの儀礼はまとめて「産養(うぶやしない)」や「産夜(うぶや)」、「産立(うぶたて)」と呼ばれ、やがて庶民の間でも行われるようになりました。しかし、現代に伝わる過程でお七夜以外の行事はすたれていき、お七夜だけが残ったと考えられています。

また、出産してから7日目を産婦の床上げや父親の産の忌明け(うぶのいみあけ)の日としている地域もあります。現在は戸籍法により、生後14日目までに役所へ出生届を提出、その際に名前も届け出ることになっています。

命名書の歴史‐源氏物語の時代から続くお七夜と命名書(前編)

画像上:公文書に使われていた奉書紙は和紙の一種。現在は命名書のほか、のし紙や結納包などに使われている。

現在、命名書は市販されているものもありますが、正式には横長の奉書紙(ほうしょし)を使います。奉書紙は楮(こうぞ)と呼ばれる原料を漉いて作った和紙のこと。中世より使用されていましたが、江戸時代に入ると盛んに使われるようになりました。当時は、将軍の命令を奉じて部下に書かせる形式があり、このことを「奉書」と言っていたことから、「奉書紙」という言葉が定着したと考えられています。本来、奉書紙の原料として使用されるのは楮ですが、現在は、より安価な木材パルプを主原料とするのが一般的です。奉書紙は格式高い和紙として知られており、のし紙や掛紙、結納包などに使われています。

それでは、命名書の正しい書き方を見ていきましょう。命名書では、横長の奉書紙を三つ折りにします。はじめに右部分の内側に「命名」と書き、次に中央部分にお子さんの続柄、名前、生年月日を書きましょう。続柄は、1人目の男の子であれば「長男」、1人目の女の子であれば「長女」と記します。最後に左部分にお七夜の日付と命名者の名前を添えれば完成です。
書いた命名書は神棚や仏壇に供えますが、床の間に掛けたり、赤ちゃんの枕元に貼ったりと身近な場所に飾っても問題ありません。しかし、大切なものなので、ベビーベッドのそばや鴨居などの高い位置に飾りましょう。命名書を飾り終える時期は決まっていませんが、一般的にはお宮参りをする生後1カ月頃までとされています。へその緒と一緒にお子さんが大きくなるまで大切に保管してください。

このほか、命名書には略式もあります。後半では略式の命名書とトレンドについてご紹介します。


文・滝沢紘子

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参考文献:
『<新訂版>子どもに伝えたい年中行事・記念日』萌文書林編集部編
文永堂 知ってて得するマナー集 お七夜・命名と祝儀袋
https://www.buneidou.jp/gallery/gallery-361-97466.html
九州総守護 四面宮 諌早神社 お七夜(おしちや)=「命名の儀」
https://isahaya-jinja.jp/2012/02/07/
京都島津 命名の基礎知識と命名書
http://www.kyoto-shimazu.com/ceremony/meimei.html
髙橋麻織 『源氏物語』冷泉帝王主催の七夜の産養
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chukobungaku/93/0/93_15/_article/-char/ja/
京都の滝和紙店
https://takiwashi.com/products/houshoshi.html
ひとふでやの命名書 命名書の書き方
https://photosho-meimei.com/seishiki/

 

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